好きなことを仕事にするのはダメ?

よく、『好きなことを仕事にすると後悔する』とか言われますよね。

私は、この言葉は誤解を招くことが多いので好きではありません。

とはいえ、完全に間違いであるとも思っていません。

 

私の場合、中学生の頃からWebエンジニアになりたいと思っていました。

紆余曲折を経て、大学在学中からWebエンジニアとして働き出し、5年ほど経過した今でも楽しく働いています。

前の記事でも書きましたが、1日8時間ということは人生の1/3を働いて過ごすわけで、その時間が苦痛だと人生の1/3を損していることになります。どうせなら楽しく働きたいし、楽しく生きていたいと考えています。

なので、現時点で『好きなことを仕事にして後悔』は一切していません。

 

最初に書いた通り、『好きなことを仕事にすると後悔する』という言葉自体は好きではありません。

なぜならこの言葉が広まることで、子どもたちの夢を奪ってしまう可能性があるからです。

高校生の頃に飲食店でアルバイトを始めて社会を知るまで、「大人の言うことは正しい」と勘違いしていました。その段階でこの言葉が誤りを含むことに気付けたことで、夢を諦めることなく働けているのかもしれません。

そして今も知らず知らずのうちに、子どもたちの将来の夢を奪ってしまっている大人がいることは本当に残念なことだと思います。

子どもたちの夢を奪うのではなく、叶える手助けをする大人でありたいと強く思います。

 

では、「完全に間違いであるとも思っていない」理由は何か。

それは、『生産者と消費者の区別が付いていない場合』や『努力や向き不向き』によっては、当てはまることもあると考えているためです。

 

『生産者と消費者の区別が付いていない場合』とは何か。

私はWebエンジニアになりたくて、メディア情報系の大学に入りました。

そこにはデザイナーやゲームクリエイター、Webエンジニア志望の学生が多く在籍していました。

しかし入学して半年、1年、2年と時を過ごすにつれ、なりたい職業に直結するはずの授業に真面目に取り組んでいなかったり、授業外で一切勉強をしていない学生が非常に多いことを痛感しました。

そして「ゲームクリエイターになりたい」と言っていた学生の大半が、「ゲームで遊ぶこと」に面白みを感じているものの、「ゲームを作ること」に面白みを感じられないまま大学4年間を終え、ゲーム業界と全く別の道を辿っていきました。

 

Youtubeで動画を見るのが好きだからYoutuberになりたい」

「ゲームが好きだからゲームクリエイターになりたい」

「アニメが好きだから声優、アニメーターになりたい」

 

こういった夢を持つことは素晴らしいと思います。その結果プロになった人も、大活躍している人も多いでしょう。

しかし、それら職業で活躍している一流の人たちは並々ならぬ努力をしています。

また、「消費すること」と「生産すること」は全く特性が異なります。

現に、『ゲームのプレイ自体に興味はないけれど、ゲーム作りは大好き』なゲームクリエイターも多く存在します。

 

ここで大事なのは、もし子どもがそういった夢を語った時に否定するのではなく、「生産者」としてのサポートをしてあげることではないでしょうか。

世界を動かしている一流のスポーツ選手だったり、クリエイターだったり、起業家だったり。そういう人たちは、幼少期から自然とそういったものに触れてきている印象があります。

tabi-labo.com

 

そして、『努力や向き不向き』。

上とも繋がりますが、そういった職業に就いて活躍するには、並々ならぬ努力が必要なので怠らないこと。

また、現実として努力に努力を重ねても、向き不向きによっては必ずしも好きな職業に就けるわけではないということ。

 

「完全に間違いであるとも思っていない」理由はここにあります。

消費することと生産することの性質や要求される能力、やりがいの違いを理解しないまま仕事を選びをしたり、努力を怠って「好きなことだから〜」と職業に飛びつくと、恐らく後悔すると思います。

 

私は、職業は目的ではなく手段だと捉えています。

最初に『私の場合、中学生の頃からWebエンジニアになりたい』と書きました。

その背景として、中学生当時運営していたWebサイトを通じて、同じ界隈の人に情報提供して、感謝されることにやりがいを感じていたことがあります。

つまりWebエンジニアになることは目的ではなく手段でした。それを言語化できたのは、社会人になってからでしたが。

現在は勤める会社のチーム状況が変わってきたので、Webエンジニアのマネージャーとして働いており、プログラミングをする時間は8割から1割ぐらいに大幅に減りました。

ですがその環境において幸せを提供して感謝されることには変わりがないので、不満に感じることもありません。

 

子どものうちは手段と目的を混同しがちなので、早いうちから好きなことに触れさせ、真に興味を惹かれる目的が何なのか気付かせることができると良いと思います。

 

というわけで当初の予定よりかなり長くなってしまいましたが、本日は以上です。

最後に、大きく影響を受けた動画を貼っておきます。

何度も見ていますが、見るたびに心を動かされます。

 

www.youtube.com